経済人コー円卓会議

経済人コー円卓会議 貿易戦争から企業倫理へ

1986年
日米欧経済人円卓会議(コー円卓会議、CRT)がスイス・コーで設立。

1985年オランダで「日本のまやかしの微笑」と題された新聞記事が掲載。

フィリップス社の内部調査レポートをもとに「保護主義、ダンピング、盗み、脅迫、これらは全て欧州と米国のエレクトロニクス産業を破壊することを狙っている」と述べ、日本を厳しく非難。

これを読んだフレデリック・フィリップス・フィリップス社元会長が「『日本の友人』としてこの記事を是非とも伝えたかった。外から見た日本のイメージを日本人は知る必要がある。イメージは時に事実より重要であり、実際、過去の戦争の多くは事実によってではなくイメージから勃発している」との手紙を国際MRA日本協会関係者に送る。

コー円卓会議設立のきっかけとなったフィリップス会長からの手紙

同氏の提唱で日米欧の経済人が本音で語り合える会議としてCRTが設立。

第一回会議は非難の応酬から始まったが、コーのマジックにより相互理解も始まり、翌年からは日米欧を相互訪問するなどの深い交流が続いた。

その結果1994年には「企業の行動指針」(Principles for Business)をまとめた。英国のファイナンシャル・タイムズは「日米欧の経営者共同による初の行動規範」と評価した。

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この行動指針は、日米欧の価値観を反映した「共生」「人間の尊厳」「ステークホルダーへの責任」の3つの理念に基き、文化や習慣、宗教が異なる日米欧の経済人作り上げた行動規範としては世界初のものである。

1986年以降国際IC日本協会内に事務局を置いたが、2000年にNPO法人「経済人コー円卓会議日本委員会」として独立。

CRT日本委員会は「自らを正すことを第一とし、誰が正しいかではなく何が正しいか」という考えに基づき、「CSRイノベーション」や、国連が定めた「ビジネスと人権に関する指導原則」の実践の支援などを行っている。

これまでに橋本徹みずほ銀行会長、賀来龍三郎キヤノン社長、山下俊彦松下電器相談役、塙義一日産自動車社長、阪本勇住友電工会長、住友義輝国際MRA日本協会会長、矢野弘典国際IC日本協会会長などが出席した。

現在の経済人コー円卓会議日本委員会会長は矢野弘典国際IC日本協会名誉会長。

オランダ紙の記事。侍が地球に刃を向けている
(左から)ジスカールデスタン氏、山下俊彦相談役
(右端)バトラーP&G会長
阪本勇住友電工相談役(左から二人目)
田淵節也野村證券会長(右から三人目)
(左から)山下俊彦松下電器相談役、住友義輝住友電工顧問
清水榮東芝副社長、賀来龍三郎キヤノン社長、岡村昇本田技研元会長
ネッスル社マーハー会長とジスカールデスタン氏
(左から)塙義一日産副社長、岡村昇本田元会長
豊永恵哉松下電器専務

CRT米国キャンペーン(1988年)

挨拶するデビット・ロックフェラー氏
左はジスカールデスタン氏、右はキヤノン賀来社長
ニューヨーク会場のプラザ・ホテル

CRT米国キャンペーン(1991年)

ミネソタで講演するモンデール元副大統領(元駐日大使)
地球、人類に対する責任と思いやりの必要性を述べた。
横瀬恭平住友ゴム相談役と3Mデシモニ会長
ワシントンで発言するマコーミック商務次官。
右が小笠原敏晶ジャパンタイムズ会長、武本キヤノン米国社長

CRTインド・キャンペーン(1989年)

ニューデリー会議

(左から)中島正樹三菱総合研究所社長
住友義輝住友電工常勤監査役、今井正雄明電舎会長
野田英二駐インド大使(中央)

パンチガニー会議

2月24日の昭和天皇のご大喪の日、主催者提案で畳の部屋で約40人の参加者が祈りの会を開催して下さった。サンスクリットやヒンズー教の祈りなどに続いて、マハトマ・ガンジーが愛唱した祈りを全員で斉唱した。

ICセンター(パンチガニー)
右から二人目は尾関雅則鉄道総合研究所理事長

CRT中間会議(東京・華南。1993年)

東京
1993年4月20日 コー円卓会議中間会議(NHK BS1で放送)
「真の共生を目指す日米欧の協調と改革」

パネリスト

  1. 賀来龍三郎 キヤノン会長
  2. 川上哲郎 住友電気工業会長
  3. 山下勇 東日本旅客鉄道会長
  4. オリビエ・ジスカールデスタン 欧州経営大学院(INSEAD)副理事長 
  5. チャールス・デニー ADCテレコミュニケーションズ社会長
  6. ウオルター・ホードリー フーバー研究所シニアフェロー

華南(広州、深?、珠海)

広州市での円卓会議
朱森林広東省長

欧州中間会議

マーティン・バンゲマンEU副委員長を訪問。

(左から)リチャード・バーク元EU委員、マーティン・バンゲマンEU副委員長
ジスカールデスタン氏、賀来キヤノン会長、フィリップス氏
松本正義住友電工欧州社長
(現関経連会長)
日本経済新聞 経済教室「企業に国際的指針 普及を」
賀来龍三郎キヤノン会長

現在は、経済人コー円卓会議日本委員会が業務を担当している。